なぜ「洗浄」が大切なのか?
★刃物等の器具類に血液・体液が付着したときの消毒方法が<水洗い→消毒>だったら・・・
刃物に付着した血液は水で洗いますと血液(赤い色)は流れ落ちているように見えますよね?
では、本当に血液は水で流れ落ちるものなのでしょうか?
TVドラマでも良くあるシーンですが、犯人が殺人現場で凶器や現場を水や洗剤で洗い流しますが鑑識はルミノール反応で血
液を確認いたします。
➡水洗いだけでは血液は落ちていないということです。
★刃物などの器具類に付着した血液・体液に中高度消毒液をかけると・・・
➡タンパク質変性作用が起こり血液が凝固いたします。
下記実験をご覧ください。
↓ ↓ ↓
<実験①>消毒用エタノール・次亜塩素酸ナトリウム編 
ほんの少しの生卵の卵白<=タンパク質(=血液と見立てて)>をガラス板(ラップ等)に付着させてください。その上からお店で使用されている消毒用エタノール 、又は、次亜塩素酸ナトリウムをかけてみてください。 数秒後に透明であった卵白が白く濁り固まります。
<結果①>
この現象が「タンパク質変性作用」といいまして、 ・ガラス板を→レザー ・卵白を→血液 に置き換えて考えます。 血液が付着したレザーに消毒液をかけますと「タンパク質変性作用」が起こり血液が凝固いたします。
<実験②>煮沸消毒編 
経験上、これは実験するまでもないのですが、 生卵に熱を加えますと固まります。 また、殻のまま熱湯に入れますとゆで卵になります。
<結果②>
熱湯を→煮沸消毒 と考えます。実験①と同じく、 血液がレザーに付着したまま煮沸消毒いたしますと「タンパク質変性作用」が起こり血液が凝固いたします 。
(※ 実験①②材料に関して) 血液凝固実験において、実際の血液を用いてお見せすることは出来ませんので、身近なものでサロン様にもお試しいただきやすい卵(=タンパク質=血液)を使用いたしておりますのでご了承ください。
<結論>
レザーにタンパク質(血液・体液)・病原菌が残留した状態で消毒処理を行うと「タンパク質変性作用」により消毒を阻害します。<一次消毒の禁止>
消毒の阻害を避けるために、消毒処理前の洗浄によりレザーに付着した タンパク質(血液・体液)・病原菌 を分解・除去する必要があります。<一次洗浄の推奨>
★ 汚染物の感染症対策にあたっては、「洗浄」と「消毒」の基本的な違いを把握したうえでの処理が重要です。
「洗浄」とは?
対象物に付着した血液・体液(有機物)などの異物を除去する工程のことです。
※「血中ウイルス感染症対策」に関しましてご質問等ございましたら、お気軽にお問合せくださいませ。